1991年の冬 何やっても中途半端でダメな高校1年の僕は、この言葉を貰ったから音楽を始めたんだ。
「ニールヤング好きなの?センスいいね!」
2012年の冬 やまべクラスの新年会は大盛り上がり!最後の三本締めの後、ふらつきながら生徒さんの後ろについてゆく私。階段を上り「ケンレノン」の扉を開け入った瞬間、凄く暖かい感覚になった。
壁にリッケンバッカーやギブソン、フェンダーが掛っている。バンドステージがある。大量のCDの棚。真ん中の席で生徒さん達がワイワイ話をしてた。「いや~始めてきましたよ」生徒さん達の行きつけの店だそうだ。そして何気なくカウンターの後ろに立つ人を見た僕はコントみたいに二度見!!(笑)
1991年の冬 当時、夢中になっていた長渕剛のTVのインタビューから重要な人物の名前を聴く。
「ニールヤング、ボブディラン、ウディガスリー」
次の日、そのキーワードを頼りにマチへ。
当時、下通りのマツレコにはよく通ったが新品のみの販売。お金がない僕は、洋楽の中古CDの店を探していた。
下通りを諦め上通りへ。奥に進むとウッドストックを発見!しかしこちらも新品のみ。諦めて店を出てすぐに足が止まった。
「ウッドペッカー」である。その店はウッドストックの2Fにあった。登る階段の壁面には無数のポスター。独特の香り。店に入った瞬間、「見つけた!」と思った。沢山のCD、レコードの山。ジャケットを手に取ると、パッケージの右下に手書きのライナーノーツ。名盤には「金字塔」の印字があった。僕はNを探す。そしてニールヤングの棚を見つけた。無数のCDを選びながら、ポケットの千円2枚を確認した。当時の僕は、エレキの音が苦手だったので、アコギを持つニールヤングのジャケット写真をチョイスした。「カムズ・ア・タイム」である。そしてカウンターへ。店長さんに「すみませんお願いします!」そして私は人生の中でとっても重要な言葉を貰ったんだ。
「ニールヤング好きなの?センスいいね!」
とにかく、うれしかった。褒められたのがうれしかった。俺は音楽のセンスがあるんじゃないのか!?と疑った。今考えるとあの言葉が私の音楽の道へ進む分岐点となった。家に帰りすぐさま、ソニーのCDラジカセで再生。衝撃のサウンド!!!
「なんだこれ!長渕よりアコギが凄い!」
そして次の日、思いきって店長さんに「すみません!ニールヤングは、どのアルバムから聞けばいいですか。」店長は「ハーヴェスト」「アフターザゴールドラッシュ」この2枚を勧めてくれた。今考えても素晴らしいアドバイスだ。ニールヤングは非常にとっつきにくい。まして洋楽に免疫のない高校生にニールヤングを植え付けることは、非常に困難に思える。それをやってのけたウッドペッカーの店長。当時の私は本当に運がいい。あそこでファーストやセカンドを勧められていたら、ニールヤングに夢中になることは10年後になっていただろう。そして私はギターを習う決心することとなる。
2006年の冬
熊本に戻った僕は、久しぶりにウッドペッカーへ。登る階段の壁面には無数のポスター。扉は開かなかった。
2012年の冬 何気なくカウンターの後ろに立つ人を見た僕は、コントみたいに二度見!ウッドペッカーの店長さんだ!私はカウンターへ行き「ウッドペッカーの店長さんですよね!」溜まっていた想いを吐き出すかのように喋っていた。僕があの言葉を貰ったから音楽を続けられていることも。そしてステージで即興の唄を歌った。そりゃもう音が割られまくって、耳をふさぎたくなるくらいシャウトした。多分、あの夜の僕は心でこう叫びたいから歌ったのだろう。
見てみて!僕はギターが弾けるようになったよ!
僕は自分の唄を歌えるようになったよ!
何やっても中途半端でダメな高校1年の僕がそう叫んでいたんだ。心の中で。
end
いや~すみません!ちょっと探偵小説ゲームっぽく書いてみたつもり(笑)です!そんなこんなで、山部大喜の行きつけのお店がやっと決まりました!「ケンレノン」です!とても素敵なお店です!音楽好きの皆さんにオススメなお店ですよ!!!ケンレノンのウェブサイトはこちら→「ケンレノン」
KENさん!また遊びに来ますね!